【文字起こし】経済史#01: すべての人々を満足させることはできない【地獄の沙汰も金次第編】

 著者: 小佐田

説明

「時は金なり」とはよく言ったものですがその逆もまた然り。時の流れには金の流れが付いて回り、人類の歴史とは即ち金と経済の歴史でもあります。しかしながら、今日我々が経済学と呼ぶ概念が成立するのは近代に入ってからでした。
経済学とは何を標榜する学問なのか?なぜ経済学者たちはそろった答えを出せないのか?そんな身近でありながらどこか遠い経済学をテーマに今回からシリーズでその概要を追います。(竹澤)

文字起こし

位置内容
0.0武田さん、ちょっと想像してみてください。
2.9はいはい。
3.41万5千円持って買い物に行きます。
6.8ほうほうほう。
7.8まあ本屋さんにしましょうかね。
8.9おおー、いいですね。
9.8そこでどんなものを買います?
11.8そうですね。1万5千円、まあまあ大金ですね。
15.9うんうん。
16.4まあせっかく大金握りしめてるんだったら卓球本買いたいんで、
20.0まずは専門書のコーナー行きますか。
22.0専門書。
23.2そうですね。最近買いたかった本だと、
26.2ジョルダーのブルーノとヘルメスキワの伝統っていうすげえ分厚い本があるんですけど、
30.9あれが確か1万1000円とかだったんで、まずそれ行っちゃいましょうか。
34.51万1000円。結構しますね。
37.2まあやっぱね、金持ってる時に買わなきゃなんでね、こういう本は。
40.5図書館にも入ってないですし。
43.2じゃあそれで1万1000円引いて残り4000円です。
46.6残り4000円。そうですね。
49.3まあでかい書店に来たなら、やっぱ岩波の棚は見ときたいって気持ちはありますよね。
54.8岩波の棚なんだろうなー、トーマス・ホップスのリバイアさんとか売ってますよ。
59.7おーいいですね。
60.7まあ賞味これどうせ買っても読まないんですけど、
63.2なんか積んでると強くなれる気がするんで。
66.3あ、でもこれあれなんですね。4巻セットなんですね。
69.11冊1000円。
71.1これは自分への縛りとして2巻まで買いましょう。
74.0残り2巻は2巻買ったら読みます。
76.8なるほど。じゃあ4000円あったものから2000円引いて残り2000円。
82.3残り2000円。
83.9まあなんか固い本ばっかり買っててもね、つまんないんで。
87.5なんかこう、柔らかい本もたまには読みたいですね。
90.8柔らかい本。
91.8でかい書店行くと、ラノベのコーナーとかもすげえでかいじゃないですか。
96.2はー。
97.4たまにはそういうのもいいですよね。
99.2残り2000円。まあ700円くらいの本を2冊、まあ入れば3冊くらい買っちゃうってところじゃないですか。
106.3うんうんうん。なるほどなるほど。
108.7いいですね。いい買い物をしてます。
110.7で、こんな感じに予算があってその予算をどう配分するか今考えましたよね。
116.5確かに。
117.7これ配分するときに多分諦めたものってあるんですよね。
122.9お金が無限にあったら買えたもの。
125.3まあ確かに。お金に無限にあったらそのすっげえ分厚いタイトルもよく読めないような本いっぱい買いたいですね。
132.2そうですよね。で、そういうふうに予算があると諦めなきゃいけない。
137.5うん。
138.3で、そんな諦めなきゃいけないっていうところに注目していくのが経済学っていう話なんですね。
146.0なるほど。
147.5ということで今回は経済学地獄の沙汰も金次第編という行業主題をつけましたけども、
155.9まあそのチャプター1ということで全ての人々を満足させることはできないというタイトルでね、話していければいいかなと思っております。
164.7はい。よろしくお願いします。
166.2よろしくお願いします。
168.3【おさだ】
172.3はい、改めまして、かつち中毒者計画のおさだでございます。
175.7同じく、竹沢です。
177.5はい、今回からですね、おさだ回ということで地獄の沙汰も金次第編を始めていくんですけど、
185.1まあこれ経済学についてやろうかなと思ってます。
189.5で、経済学の歴史をやっていきたいんですけど、そもそも経済学とか経済って何なの?っていう話をしないことには話を進めることはできないなっていうふうに考えてます。
200.4なるほど。
201.5なので今日はそこの経済とか経済学っていうのが何なのかっていう話をさせてもらえればなって思ってます。
209.0はーい。
210.5そもそも経済っていうものが何なのか、それは2つの意味があります。
217.4で、経済とかエコノミクスとかいう言葉がありますよね。
222.7まあこれ英語と日本語ですけど、これら2つっていうのは本流が違うんですよ。
228.2まず、エコノミクスっていうのは日常生活で合理的な行動をとること。
235.2で、これはオイコスノモスっていうギリシャ語が起源で家計の管理っていう意味があります。
242.6で、個人の家計の管理を重視してるのでミクロ経済学に近い概念と言います。
249.1ふんふんふん。
250.6で、もう一つ経済っていう言葉は中国の古典で出てくる経世財民っていう言葉があって、この言葉から経と財を取り出して経済って呼んで世界を治め、民を救済するっていう意味になってます。
265.9うーん、なんかこっちの方がでかい視点なんですね。
268.8そうです。こっちの方がでかい視点になってて、国全体の利益を高めるっていうことを重視する。
274.9そのため、マクロ経済学に近い概念ってふうになってる。
278.9うーん、なんか中国古典っぽいですね、その概念自体が。
283.4そうですね。中国古典でやっぱりこう知識人が皇帝に対して助言をするときにいろんな例を出す。
291.9たぶんその中で出てくる四字熟語なのかなって思ってます。
295.9そうですね、君子ってやつですね。
298.3で、このどちらに対しても同様に共有してる重要な概念が一つあります。
304.7はいはい。
305.7それを気象性っていう言葉で表してます。
309.2レアリティですか?
310.9レアリティですね。
312.3で、気象性っていうのは資源には限りがあるってことなんです。
317.5ほう。
318.7要は、すべての人間を満足させることってそもそも難しいですよねっていう議論からスタートしてるんですね、経済学は。
328.4うんうんうん。
329.1何が言いたいかっていうと、例えば何か金にしましょうか。
334.1えー、わかりやすいですね。
335.1金があったとして、その金を全員が欲しい分だけ分配するっていうのは総量が足んなくて無理なんですよ。
342.7まあ確かに。
344.1っていうところで、その総量が限定されてる、つまり気象性があるものをどういうふうに分けるのか。
352.4うーん。
354.3貴重な財とかサービスとかをどういうふうに分配するのかっていうところが起点となって経済学っていうのが生まれたんです。
361.5なるほど。
362.8で、まあ今回はそんな気象性から考える経済学っていうものを知るために、ニコラス・グレゴリー・マンキューっていう人が言い始めた
372.3経済学の重大原理っていうものについて見ていこうかなと思ってます。
376.0なるほど。
376.7で、こちらのニコラス・グレゴリー・マンキューっていう人をご存知ないと思います。
380.3知らないです。
381.8経済学部の大学に行ってた人は、必ずと言っていいほど名前が出てるはずなんです。
390.0ほう。
390.9何で有名かというと、教科書で有名です。
393.9教科書書いてる人なんですか?
395.5教科書書いてる人なんです。
396.6ああ、我々っていうところのマク・マリー先生とかそういうノリですね。
400.1なるほど。
401.1科学家なんかの先生って教科書の人。
404.3非常に有名な先生ですね。
406.2まあその立ち位置なのかなっていうふうには思います。
409.4じゃあそんな、このニコラス・グレゴリー・マンキュー先生が提唱したその10個の経済学の基本っていうものについて見ていこうと思います。
419.8で、一つ目。
420.9人々はトレードオフに直面している。
424.7で、このトレードオフっていう言葉が結構重要なワードになっていて、
430.1これは一番最初の本のでがわかりやすいと思います。
434.1ええ。
435.2簡単に言うと、何か選択するときに、選択しなかった方って選択できないですよね。
443.3うん。
443.6っていうことです。
444.6ああ、なるほど。
446.1なんか二つのものを選ばなきゃいけないときに、どちらか一方しか選べないよ。
452.0どちらか一方を捨てなきゃいけないよっていうことをトレードオフっています。
456.4なるほど。
458.0例えば、夕飯にラーメンと寿司を食べたいと。
461.3そのときにラーメンを食べると寿司は食べられないし、寿司を食べるとラーメンは食べられないんですよ。
467.9確かに。
469.2なので人は選択するたびに何かを失い続けてる。
473.9うん。
474.6っていうふうにも考えられます。
476.0なるほど。
477.8で、二つ目。
479.4二つ目は、あるものの費用はそれを得るために放棄したものの価値だ。
485.6これはトレードオフに直面しているときに何かを選択するともう片方を得ることができないので、
493.3その失う分を考慮して意思決定を行う必要があるよねって話です。
498.4なるほど。
499.7で、この失う仮想的な費用のことを、このワードいろんなところで聞くかなと思うんですけど、
506.0機械費用とか機械減化なんて言葉で表現されてます。
511.4なるほど。
512.9ちなみに、経済学では機械費用、経営学とか会計学だと機械減化っていうワードチョイスにしがちです。
518.8へー。意味は一緒なんですか?
521.5意味はほとんど一緒です。
522.5なるほど。
524.4で、この際に金銭的なことじゃなくて時間的なこともここに含まれるんですね。
530.8要は意思決定のための総合的な利益を計算に含めてるってことなんです。
536.6だから、今の時間っていう例をパッと出すと、電車台1駅分けちって歩いたときに、私はその時間と電車鎮1駅分っていうものをトレードオフしたっていうことになるんですかね?
550.0そういうことです。
550.7なるほど。
551.5時間とかそのあたりもすべて計算に入れた上で、どっちの方がその総合的な利益っていうのが高いかっていうことについて、頭の中で点瓶にかけてどっちかを選んだってことになります。
565.9最近その辺の概念ってコスパっていう言葉にまとめられがちじゃないですか。
571.1タイムパフォーマンスとかコストパフォーマンスっていうものを全部まとめてコスパっていう概念で呼んでるような気がして、それに近しいような気がしましたね。
580.7そうですね。基本的にそのコスパのパの方、パフォーマンスの方をどう表現するのかっていうのがポイントですよね。
589.1なるほど。
589.5例えば人によってそれって違うはずなんですよ。
593.1人によっては歩いて人駅分の電車賃を安くする方がいいって思う人もいれば、いやその分払ってでも歩きたくないよって思う人もいますよね。
605.5確かに。
606.8で、その総合的な利益っていうのは人によって違うんです。
610.8で、この総合的な利益っていうのを高揚なんて言葉で表現してます。
614.7おー、また新しい言葉が出てきましたね。
616.9高価の高に要件の要ですね。
620.3なるほど。
621.8要はその高揚を最大化するとかっていうのが経済学の目的になっている。
628.3うーん。
631.1では次行きましょう。
632.43つ目。
633.1これはちょっと難しいんですけど、合理的な人々は限界原理に基づいて考えると。
639.4さあ限界原理って何っていう話なんですけど、これは私は経済学の、経済学結構翻訳がちょっと微妙なところがいくらかあってですね。
649.9うんうん。
650.4例えばこの限界的、これ元々の英語の意味マージナルなんですね。
655.5ほう。
656.1マージンなんですよ。
657.1あーはいはいはい。
657.8要は何かがあったとして、そっからもう一単位進む、もう一単位増やしたときの端っこの分がマージンになりますよね。
670.3なるほど。
671.5で、そのマージンを比較するっていうのが限界原理になります。
677.5合理的な人たちはそれを見てるよねっていうことを言ってるんですか?
681.0そうです。合理的な人々は自分の目的を達成するために与えられた条件でベストを尽くしていくわけじゃないですか。
689.7うんうんうん。
690.5で、その中では、例えば全部を選択するとか全部を選択しないとかじゃなくて、そのあと一個増やしたら片方はどれだけ減るかとか、
702.7もう片一方を一つ増やしたら、もう片一方の片一方はどれだけ減るかとかっていうその端っこの部分を比較対象に含めているってことです。
712.9なるほど。
714.2じゃあ次はわかりやすいんで。
716.3人々は様々なインセンティブに反応すると。
719.8うん。インセンティブ大好きですね。
722.0インセンティブ、あれですか?インセンティブは会社のインセンティブですね。
726.7会社のインセンティブですね。
728.4会社のインセンティブあれですよね。何かをやるとお給料が増えますって話ですか?
734.5そうですね。お賃金とか評価とかボーナスとかが増えますね。
737.5うんうん。まあそれもインセンティブなんですけど、このインセンティブっていうのはもうちょっと広い意味になります。
744.3おお、というと?
745.8このインセンティブっていうのは要因なんですよ、ただの。
749.5要因。
750.7要因。原因とか要因なんですね。
753.4うんうんうん。
754.1で、それに反応してる。例えば給料をもらう時のインセンティブっていうのは、給料がもらえるという要因を作ったので、皆さんはそれに反応してたくさん働くっていう選択をとっている。
768.4なるほど。
770.4なので、必ずしもこのインセンティブっていうのはポジティブな意味だけじゃない。
775.5あー、はいはい。
777.5例えばガソリン価格が上がったというインセンティブがありますね。
781.9うんうんうん。
782.9そうすると、例えば小型車の販売量が増えるんですよ。
786.2うーん。なんか人々の行動原理とか行動要因っていうようなイメージが近いっすかね。
791.8そうですね。その行動要因に影響を及ぼしてる原因って感じかな。
796.3あー、もっと根っこの部分で?
797.9もっと根っこの部分で、まあ何らかの原因があって、人々の行動原理に影響を与えてること。
803.9なるほど。
804.8ガソリン価格が上がると、より効率よくガソリンを使う方法っていうのを模索し始めるので、小型車の販売量が増えるってこと。
812.1なるほど。
813.1次、公益取引はすべての人々を豊かにすると。
817.2本当?
818.4本当?これは、一応経済学っていうものはこれがこうじゃないと成立はしないかなっていうふうには思うので、必要な原理ではあるんですけど、
830.5参加者をより得意分野に特化させることによって、より多様な財サービスっていうものを効率的に享受できるようにする。
838.9なるほど。
839.9っていうことなんですね。
841.1私の身の周りでパッと浮かんだ例だと、金属加工は金属加工の外中にやらせた方が安いよねっていうことですね。
849.1そうですね。それに近いですね。
851.1金属加工は金属加工の外中に依頼をして、こっちはこっちで自分のできることをして、それをお互いにそれを分け合う方がよりいいよねっていう価値観ですね。
864.5なるほど。
866.0で、適材適所で生産活動っていうものをすることができるようになるっていうのがポイントで、より効率よく財だったりサービスっていうものをお互いに享受できるよねっていう話になります。
876.6その次も似たような話ですね。
878.6市場経済。通常、市場は経済活動を組織する量作である。
885.4通常。
885.9量作である。
887.3通常。
888.3量作である。
889.9なるほど。
891.3で、これは何かっていうと、市場経済を行うことによって、その市場経済そのもののインセンティブによって大体効率よく資源が配分されるんですね。
901.5うんうんうん。
903.5っていう話ではあります。
904.7なるほど。
905.4で、それをアダム・スミスは見えざる手なんていうふうに表現。これ次回やりますけど。
909.7うんうんうん。
910.5その見えざる手によって望ましい結果に到達すると。
914.5うんうんうん。
915.5計画経済は市場が自由じゃなかったので、その見えざる手を縛ってたことに他ならないんだよっていう人もいますね。
923.0なるほど。
924.7で、そんな市場っていうものに対しても、何らかの問題が起こるんですね。
932.0例えば、市場の失敗なんていう概念があります。
936.7はいはい。
937.7例えば、毒戦とか火戦が行われると、適正な競争が働かなくなって価格がつり上がってしまうなんて例があります。
947.3あぁまぁ、思い当たる市がいくつかありますけど、一個も喋り口になせないですね。
951.8あとは、後害とかが発生した場合って、その社会的に発生する費用っていうのを企業って自社のコストだと考えないじゃないですか。
963.0うんうんうん。
964.4で、結果的に製品が過剰生産につながってしまうみたいな外部性なんて話がある。
970.2なるほど。
971.2この市場の失敗っていうところが、さっき言ってた、公益取引はすべての人を豊かにする本当とか、通常良策であるなんて言い方につながってるってわけです。
986.1なるほど。
987.1当然、そんな市場の失敗とかっていうものは、自由経済だと発生しちゃうんですよね。
994.8で、そんな中で、政府っていうのは、その市場の失敗であったり、それ以外のことでも市場にもたらす成果っていうのを改善できることもあるんです。
1006.6こともある。
1008.7もちろん、政府がやりたいほどやると、当然悪い影響を与えることもできるし、良い結果を与えることもできると。
1016.9なんか、金法とか、もしくは特定の企業の株価に行くとか、そういうムーブの話ですかね。
1023.5そうですそうです。
1024.8例えばそういうふうにして、独占金賞とかは分かりやすいですよね。
1028.9その独占だったりっていうものをそもそも違法化しちゃうとか。
1033.1あとは、税金をかけるっていうことでも、実はそれ解消できたりするんですね。
1038.1なんか、公害とかを出すと、その分だけ税金がかかるみたいな。
1043.0Pファス規制とかそういう話ですね。
1045.3そうそうそう。そういうのでも市場の成果を改善できる可能性があると。
1050.2なるほど。
1051.1あとは、市場経済っていうものを成立させるためには、所有権ってものを保証されてないと成立しないですよね。
1059.5うんうんうん。
1060.7で、この所有権っていうのは今この現代を生きてる私たちからすると当たり前のように持ってますよね。
1066.3俺のものは俺のものってことですよね。
1068.3そう、俺のものは俺のもの、あなたのものはあなたのものっていう概念です。
1072.8まあ、何らかの取引をしたり、その所有権の移行がなされない限り、まあ帰属し続けるよねっていう話。
1081.7で、それって成立させるには、そのルールを守らせる権力っていうのが必要ですね。
1087.3おー。公権力と暴力ですね。
1089.9公権力と暴力によってその所有権っていうのが確保されてるから、要は市場で経済ができると。
1095.8なるほど。
1096.7まあそういう意味でも政府は市場にもたらす成果を改善できることもあるということです。
1102.1うんうん。
1103.4まあ基本的には市場経済っていうのは旧大展なんですけど、まあそればっかりに頼っていると問題が発生するので、それは効率、その市場経済としての効率が少し下がったとしても政府が介入するっていう必要があるということですね。
1118.4なるほど。
1119.5うんうん。
1121.0はい、あと3つです。
1123.3えー次。
1124.3一国の生活水準は在サービスの生産能力に依存している。
1128.8で、生活水準の格差とか変化のほとんどっていうのは、まあ各国の生産性の相違によって説明できる。
1136.7要は、まあ生産設備とか人材が良くなれば良くなるほど、まあ一単位時間あたりの生産量っていうのが多くなりますよね。
1145.5確かに。
1146.7で、それがそっくりそのまま生活水準っていうものに影響を与えているんだと。
1151.3うん。
1152.1そういうふうに提唱してるってことです。
1154.6うんうん。
1156.3で、えー次。次はちょっと経路が変わりますね。
1160.1政府が貨幣を流通させすぎると物価が上昇する。これはわかりやすいですよね。
1165.8うんうん。
1166.5でもなんかインフレです。
1167.5急に具体的になりましたね。
1169.4まあ、えーとこれは皆さんも、まあご存知の方も多いと思うんですけど、政府がお金をすると、そのお金の価値が減少することによって相対的に物価が上昇するっていうことが起こります。
1183.4ジンバブエドル的なやつですね。
1185.1ジンバブエドル的なやつです。
1187.1うんうん。
1187.6まあその貨幣の価値、その気象性っていうものが一気に落ちてしまうので、相対的にそれと釣り合う物の価格っていうのが上昇していくっていう現象が起こります。
1203.0なるほど。
1205.0で、えー最後。
1207.0これはちょっと難しいですね。
1209.0社会はインフレと失業の短期的トレードオフに直面している。
1214.9で、これ何を言ってるのかっていうと、経済の過閉量の増大っていうのは全体としての支出っていうのを刺激しますよね。
1225.5要はそのお金が増えると、お金を使おうって人も増えると。
1230.2まあそうですね。
1231.7そうすると、財サービスへの需要っていうものも上がりますよね。
1236.6まあそうですね。それがインフレですね。
1238.6うん。
1239.9で、その交水所の需要によって、企業は価格も引き上げていきますよね。
1245.9まあ当然ですね。
1247.2当然価格も上がっていくと。
1249.2で、その途中で企業っていうのは雇用も増やして、財サービスの生産も増やしていくと。
1257.5で、この雇用を増やすっていうことは、失業が減少するってことですね。
1264.0確かに。
1266.0つまりインフレっていうのは雇用を促進して失業を減らすんです。
1273.1なので、失業を増やすか、社会をインフレにするかっていうトレードオフに全体は直面しているよねってことです。
1283.4なるほど。
1285.8インフレにさせると失業率は減る。
1289.8ただインフレを抑え込もうとすると失業者が増える。
1295.8っていうところをどういうふうにバランスをとるかっていうのが経済政策になっている。
1300.3なるほど。
1301.6と、まあこんな感じのが経済学なんですけど、話を聞いていって分かったと思いますけど、若干やっぱりふわっとしてるんですよね。概念がね。
1312.1まあ確かに。特に前半は抽象的な話が多かったように思いますね。
1316.3なので、このあたりを実は数式を細かく見ていったり、モデルを使って分析しているケースっていうのは結構多いんですけど、
1325.1そのモデルがそもそも正しいかどうかも実は確かめるのが難しかったりする。そんな学問になります。
1332.7し、あとはかなり雇用っていう概念に規定されてるんですよ。
1338.7さっき言った、その人々によって自分の利益、何をいいと感じて、何を悪いと感じるのかってことですよね。
1347.9で、この雇用っていうのが考え方に依存している以上、立場によっていろんな考えっていうのが生じるんです。
1355.5ああ、人にとってはただの紙切れなのに、人にとっては10万円の紙に見えるみたいな取れ家で起きてる現象みたいな話ですかね。
1363.5まあそれもそうですよね。
1365.1それはなんか客観的に価格が上がってるから、なんていうの?
1370.9えっと、じゃあもうちょい良い例を出すと、自宅にいる時の水いっぱいと砂漠で飲む水いっぱいとかって話ですか?
1377.3ああ、そうですね。それもそうかもしれない。その状況によっても違うし。
1384.2まあその人だけでも一緒ですよね。例えば化粧品を買って雇用が高い人と、本を買って雇用が高い人と、
1394.7どっちも買っても雇用が上がる人と、どっちか買うと雇用が下がる人みたいな。
1399.1なるほど。
1400.2いや、俺本なんて興味ないしなとか、化粧品なんて興味ないしなみたいな、そんな人もいますよね、当然ね。
1406.0まあ確かに。
1407.5でまあそういう人が、その雇用っていうのは要は人がどう思うかなんで、いろんな意見があると。
1415.5まあなのでその立場によって考え方、いろんな考え方っていうのが生じてる。
1421.4なので経済学者の意見っていうのはしばしば一致しないんですよ。
1427.1なるほど。結局主観的な感覚っていう部分に依存する部分が大きいって話ですか?
1432.3そうです。
1433.8まあ一応あの実証的な主張っていうのと、規範的な主張っていうのに分けて考えるべきっていうふうにはなってます。
1440.6まあ一応その2つについて説明しておくと、実証的な主張っていうのは客観的なことですね。
1446.8まあ社会がどういうふうになっているかについての主張。
1451.4これこれこういうことになっていますよっていう主張ですね。
1454.6で、規範的な主張っていうのもあって、規範的な主張っていうのは社会がどうあるべきかについての主張になった。
1462.8なんか校舎はイデオロギーっぽい匂いがしますね。
1466.3で、そのイデオロギーっていうものを完全に排除できないっていうところが、経済学がこの学者の意見が一致しない理由になります。
1475.7なるほど。
1477.7まあ世界の仕組みに対して見方がいろいろ分かれていると。
1482.0まあいろんなモデルがあったり、いろんな分析手法があったり。
1485.8で、それがその中でどれが妥当性を持っているかについて、意見っていうのは必ずしても一致しないと。
1492.6なるほど。
1493.8まあ経済学はかなり若い学問なので、まあ発展途上の理論とかかなり多いんですよ。
1500.4で、まあどれが妥当であって、どれを採択するべきかっていうのはまだ全てが明るみになっているわけじゃないってことですね。
1507.6なるほど。
1509.1まあ一つ具体例を出すと、まあ武田さん1000万円の収入を持っているとします。
1515.2おーすげー。
1516.3で、そのうち10%に当たる100万円の税金を貰えています。
1521.3持ってかれますね。
1522.9で、おさだ。おさだは200万円しか収入がない。
1528.0でも、20%に当たる40万円の税金を払っています。
1532.6うん。
1533.1税金払いすぎてんのってどっちなんですかって話なんですよ。
1536.9まあこの例で見ると、おさだの方が税金払ってる感じしますけど。
1542.7まあ確かに。
1544.1まあ総量で考えたら竹沢さんの方が2倍以上払ってるんですよ。
1548.8まあそうですね。これがまあもし1000万円だとちょっとピントこないですけど、1億だったら1000万円ってことですからね。
1554.51億だったら10%に当たる1000万円の税金を払ってると。
1558.2どっちの方が払いすぎてるんだっていうのが、まあこれは結論出ないですよね。
1563.5うん、確かに。
1565.3っていうまあこういう話が経済学の学者の中で一致しない部分というのになります。
1570.3なるほど。
1571.5まあ大体ね、こんなことを考えていくっていうのが経済学になります。
1576.2で、まあ次回からはね、あのー、その昔の経済学者から順番にその歴史的な側面っていうのも含めて、
1584.3まあ探っていこうかなっていうふうに思っております。
1587.4はい、お願いします。
1590.6我々が論じている経済っていうのは比較的新しい学問といえます。
1594.9太陽系の中心が地球から太陽に転換されたときですら、まだその目を出していませんでした。
1601.1それから100年ほど経過し、西欧の絶対主義の時代、政府では公益を保護すべきか、それともレッセフェール、自由法人にすべきかの議論が起こります。
1612.7その議論は今でも続けられていますが、一旦ある男が一つの結論を出しました。
1619.2ミエザルテ
1620.2神のメイザルテによって史上は個人の利己的な追求によって最大利益に達する。
1626.8そう語った男の名はアダム・スミス。
1629.7彼が経済学という新しい学問の枠を切って落としたのです。
1635.0うーん。
1637.6はい、というわけで次回お互いはアダム・スミスについてやりたいなというふうに思っております。
1644.3さすがに私も聞いたことありますよ。
1646.1まあ有名ですよね。神のミエザルテって結構キャッチですもんね。
1650.9確かに。かつ概念も比較的高校生くらいでも理解しやすい話をしてますしね。
1655.9わかりやすいです。この辺の公理主義かな。
1659.8古典経済学とかその後の公理主義の本流になっていく。
1664.2そのあたりについては比較的理解しやすいのかなというふうには思ってます。
1668.2はい。
1669.2はい、ということで次回はアダム・スミスをやろうと思ってます。
1673.3ありがとうございました。
1674.2ありがとうございました。